19世紀末、英国統治下のインド国境地帯で奇妙な流行り病が発生した。英国人医師エリオットはその原因を探るが、目的を果たせないまま帰国する。帝都ロンドンに戻り落ち着いたのも束の間、彼の周りでは不可解な事件が頻発。学生時代の友人が血を抜かれた死体となってテムズ川に浮かび、インド統治に関する要職にあった学友は失踪。インドでの事件とロンドンの惨劇に繋がりを見出したエリオットは、劇場支配人ストーカーをワトソン役に事件の解明に乗り出すが…。
前作「真紅の呪縛」に続く『ヴァンパイア奇譚』第2作。ルースヴェン卿やポリドリなどの1作目からの登場人物の他、新たにブラム・ストーカーやオスカー・ワイルド、小説「緋色の研究」などが場面を彩り、衒学的な言葉遊びが楽しめる。人物配置はドイル「シャーロック・ホームズ」シリーズとストーカー「吸血鬼ドラキュラ」に、構成は「吸血鬼ドラキュラ」と二重写しとなっており、これらの先行作品群と合わせて読むのも愉しい。
📖作品情報
渇きの女王 [ Supping with Panthers ]
訳者:奥村章子
シリーズ:『ヴァンパイア奇譚』第2作
出版:1997年
出版社:早川書房 [ ハヤカワ文庫NV <NV857> ]
耽美度:⭐⭐⭐☆☆
衒学度:⭐⭐⭐⭐⭐
総合おすすめ度:⭐⭐⭐⭐☆
