1997年はドラキュラ伯爵誕生100年の節目に当たり、この年多くの吸血鬼関連本が出版された。本書は2000年の発行だが、元になる単行本はこのドラキュラ年に刊行されている。日本人人気作家による、正統派、SF、サスペンスなど多様な吸血鬼譚8篇を収録。
何というか、全体的に小粒な印象。さらりと読めるが、その分心に引っかかるものがない。否、冒頭「13」(大原まり子)だけは吸血鬼小説としてどうしても理解することができず、その意味で記憶に残ったが。巻末に解説を付すなら、こういう点に紙幅を割いて欲しい。あと表紙も個人的好みからは大分乖離する。
三島由紀夫「仲間」、ギャリー・キルワース「銀の首輪」並みに気の利いた吸血鬼短篇が読みたい。
📖作品情報
血 ― 吸血鬼にまつわる八つの物語
収録作品:
- 「13」大原まり子
- 「かけがえのない存在」菊地秀行
- 「薔薇船」小池真理子
- 「エステルハージ・ケラー」佐藤亜紀
- 「アッシュ ― Ashes」佐藤嗣麻子
- 「一番抵当権」篠田節子
- 「スティンガー」手塚眞
- 「血吸い女房」夢枕獏
- 解説 小谷真理
出版社:2000年
出版:株式会社早川書房
耽美度:⭐☆☆☆☆
血しぶき度:⭐☆☆☆☆
総合おすすめ度:⭐⭐☆☆☆

